べっ甲とは

鼈甲は玳瑁(タイマイ)という海亀の甲羅で作る製品です。日本国におけるタイマイの歴史は古く、それは奈良時代にさかのぼり正倉院の宝物の中に玳瑁竹形杖や螺鈿紫檀五絃琵琶などが収められています。また、鎌倉八幡宮宝物殿内の矢たてもべっ甲で作製されました。美術品がその他数多く発見されています。

日本の鼈甲製品は一匹の玳瑁の甲羅から一つの製品を作製するのではなく、作製したい完成品のイメージ(色、模様、大きさ等)に合わせて複数枚の玳瑁の甲羅を選定します。選定された甲羅は接着剤や化学薬品を使わずに甲羅に含まれているニカワ質を、温度・圧力を利用してうまく引き出し甲羅を何層にも重ね合わせ一枚の板を作製します。その後、裁断・削り・組立・磨き等の多工程を経て製品が完成します。一つの製品を完成されるには受け継がれた技術の結晶が注がれております。